職場で遭遇した無能さん対策ご紹介~ドラマ「無能の鷹」より

社会

ドラマ「無能の鷹」では、主人公の鷹野ツメ子の無能ぶりが描かれています。

菜々緒さんは、過去に『サイレーン』で演じた冷徹な殺人鬼の橘カラや、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』、『TOKYO MER ~走る緊急救命室~』、『怪物の木こり』、『忍者に結婚は難しい』等々で、知能が高く完全犯罪を遂行する冷酷な殺人鬼や、優秀でかっこいい女性を演じてきました。

今回のこのドラマで菜々緒さんが演じる鷹野ツメ子は、これまで演じてきた菜々緒さんのイメージとは全く対照的な役柄です。主人公の鷹野ツメ子は、どこの会社にでもいる?ような“無能”な社員です。

菜々緒さんの雰囲気も、「これがあの菜々緒?」って思うほど、一瞬同じ人には見えないほどにキャラクターを作り込んでいるところには驚かされます。俳優さんってすごいですよね。同じ人に見えません。

今回は、自分の経験を元に、“無能”というか、トラブルメーカーさんたちが職場でどのような影響を与えたのか、そしてどのように対処・解決してきたかについて考えていきたいと思います。

職場で遭遇した3人の無能(トラブルメーカー)さんたち

私がこれまで会社員として働いてきた中で遭遇した無能さんたち(トラブルメーカー)を3人ほどあげてみます。多分、どこの会社でも多かれ少なかれ、こんな人は、いらっしゃるんじゃないかなーと思います。読者の皆さんも、「あー、そうそう、そういう人っているよねー」、「そうそう、そうなのよー」って、共感してもらえるんじゃないかな?

では、さっそく書いていきます。

考えても結論の出ないことを考え続けるタイプ

エピソード

社員Aさんは、普通の人が1時間で終わる仕事に3時間もかかってしまいます。人の3倍時間がかかっていて、仕事が時間内に終わりません。

どうしてそうなるのかを密かに観察してみたところ、一つの事を時間をかけてずっと考え続けています。見ていると、調べるでもなく、頭の中でぐるぐる考えている様子です。

結局、結論が出ず、かなりの時間を消費したのち、毎回上司や同僚に「ここはどのように判断したらよろしいでしょうか?」と聞きに来ていました。

問題点

考えて結論が出るものについては、考えることに意義があります。ですが、世の中には考えれば結論が出るものばかりではありません。

目の前の案件が考えれば結論がでるものなのか、考えるのではなく調べればわかるものなのかを判断できないことが問題です。

そして、自分が知らないということを他人に知られたくない、自分は”有能”と思われたいという見栄や変なプライドがあったことが問題です。

対策

考えて結論が出る案件であれば、脳みそがへこたれるまで何時間でも何日でも、何カ月でも考え続けることに意味があります。

たとえば、あるプロジェクトで問題が発生した場合、問題を解決する方法を考えることや、やりたいことがあったときに、どうしたら現状上手くいっていないことを上手くできるようになるかを考えることなどです。

考えても結論が出ない案件、例えば、こういうルールに従って進めるなどが決まっている場合は、自分で調べる、上司に聞く、同僚に聞くなどが解決策になります。

今回の場合は、「5分考えても答えが出なかったら、上司や同僚に聞きなさい」とアドバイスしました。

もしかしたら、分からないことを知られるのが恥ずかしいと思っているかもしれないので、

「聞くことは恥ずかしくないし、むしろ聞かないでいると自分が成長できない。
分からないことを分からないで放っておくことの方が恥ずかしいよ」

と付け加えました。

それ以降、Aさんは、こまめに聞きに来てくれるようになりました。そういうところは素直だったのだと思います。

過去の栄光にしがみつくタイプ

エピソード

契約社員Bさんは人事評価に不満を持っていました。自分が契約社員で正社員になれないのは、差別されていると思い込み、何度も人事やコンプライアンス窓口に駆け込んで訴えを起こしていました。

そのたびに、直属の上司は人事やコンプライアンス部に呼び出されて事情聴取されたり、定期的にBさんの訴えを聞く会を設けざるをえず、時間をとられていました。

問題点

Bさんには、過去の栄光にしがみつくだけではなく、いくつかの問題点がありました。

Bさんは契約社員ですが外国籍で本国で大学院まで卒業し、その後日本への国費での大学院留学を経ての就職でした。高学歴ですし、大学院では研究論文もだしています自らの経歴にたいそうな自信がおありです。

残念なことに、会社は過去の経歴を評価するのではなく、今まで会社のためにどのように貢献してくれるか、そしてこれから会社のためにどのような貢献をしてくれるのかが重要視されることに気付いていませんでした。

就職に当たっては社長のコネ入社でした。

ただ、社長本人がBさんを直接知っているわけではなく、得意先の知り合いから頼まれて仕方なく、なんとか雇える部署を探してくれと人事部に頼み込んでのことだったようです。

しかし、Bさんは自分は社長とのコネがあると信じており、ことあるごとに、社長に直訴すると周囲に脅しをかけます(実際に社長あてにめーるをだしていて、秘書さんでブロックされていましたが)虎の威を借る狐というところでしょうか。
ただ、虎の威になっていないところが残念なところですし、自分の置かれている状況をきちんと理解できていないことが問題です。

自分は「外国籍」だから評価されないと、自分以外の要因にその原因を求めていますそのように思い込んでいたため、日本人に帰化し、名前も日本人の名前に変更しました

ただし、評価されない原因は「外国籍」だからではないので、当然ですが、評価が上がるわけではありません。

会社には外国籍の社員もいっぱいいますが、外国籍社員でも有能な方はきちんと評価され、ポジションも与えられて仕事をしていますが、そのことは目入っていません

帰化して日本名にまで変えたときにはびっくりしましたが、もし、エネルギーを他の実のある方向に向けられていたら、もっといい仕事ができたのではないでしょうか?残念です。

対策

こういった、高学歴で優秀な方だけに、自分が評価されないことに対して納得できません過去に自分が成してきたことが正しく優れていると思っているほど、自己愛が強く、ナルシストです。

ただ、会社としては、強く訴えられたからと言って、評価を上げるというのは本末転倒であり、他の社員との公平性を保てません。これまで通りの定型業務を粛々と行っていただきました

人事部の担当者とも話をしたことがありますが、その担当者がぽつりと「こういうケースは、ご退職願うよう会社が指示を出してくれれば、やるんですけどねー。」と言ったことがとても印象的でした。

今回のケースは、有効な解決策は見つけられませんでした。そのままの仕事をしてもらうしかなく、最終的な解決策は定年退職となりました。

もちろん、会社によって状況は異なります。

筆者の勤めていた会社の場合は、社員に対してとても優しい会社で、どんな無能さんでも会社側から「辞めてくれ」ということはしない会社です。その分、周りはとてもきつかったですが(笑)。

 

正論を振りかざし、仕事を止めてしまうタイプ

エピソード:

社員Cさんは完璧主義者です。細かいことでも、自分が“正しい”と思うことを主張し、絶対に曲げようとしません。その度に議論が中断され、みんながCさんの主張したことの対応に追われます。

ただ、Cさんの言うことは“正しい”のです。

例えば、

「横断歩道を渡るときは、手を挙げて渡りましょう」なのです。
「横断歩道は、赤や黄色信号では渡ってはいけません。青信号の時に渡りましょう」なのです。

これは正しいのです。


でもね、考えてみてください。
誰もいない田舎の道で、みわたす限り自動車が見えないところで、手を挙げてわたりますか?
私は手を挙げて渡りません。

走っている自動車が全く見えないところで、青信号に変わるまで待ちますか?
私は赤や黄色信号で渡ってしまいます。

分かりやすい例として横断歩道をあげましたが、「正しくないけど、別にいいじゃん」ができずに、絶対に正しいことは正しいを振りかざして、周りを巻き込み、大騒ぎし、全体としての生産性を落とします。

Cさんは”正しい”意見を押し通そうとしますし、周りは正論なので面と向かって否定することが難しい状況でした。

問題点:

Cさんは生産性や費用対効果というよりも、“正しい”ことをすることが善であると思いこんでいるため、本人は良かれと思ってやっています。そして、Cさんの主張は“正しい”ので、論破することがなかなか難しいことが多いのです。

本人は、“正しい”ことを言っているので何が悪い、自分は正しいことを正しくやるために意見を述べていると思っています。

コロナの時に出現した、自粛警察みいな感じでしょうか・・・
自分が信じた正しいことをとことん突き詰めちゃうみたいな。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」というジョークがわからないのです(古いですねー(笑))。

対策:

私たちは資本主義社会の中で仕事をしているわけですから、生産性を求められます。旧ソ連のような社会主義では生産性は求められないので、Cさんのようなやり方も通用するのかもしれません。

ですが、私たちのいる日本は資本主義です。すべてを100%完璧にしようとすると費用対効果はどんどん下がります。もちろん、一定レベルの品質は担保すべきですし、昨今問題になっている品質検査の不正などは言語道断です。

とはいえ、正論を振りかざし、発生リスクが極端に低く、またリスクの大きさが比較的小さいと考えられるリスクを回避するために多くの時間と費用をかけて行うことが果たして善なのかと思ってしまいます。

難しいのは、そのバランスと思います。

Cさんの場合は、確かに“正しい”ことを話しているので、Cさんの主張する部分を受け入れつつ、Cさんが妥協できる点を探ることで対応しました。

Cさんは理解力が低いわけではなく、頭は良いので、理論的にじっくりと説明し、このようにしたら問題がないことを説明することで時間はかかりましたが解決に至りました。

ただ、その理由を考えるのに大変時間がかかりましたけど。。。

「働きアリの法則(パレートの法則)」は、人間社会に当てはまるのか?

第1羽(「羽」は誤字ではありません。)で、鷹野ツメ子が「働きアリの法則」を語っていました。

無能なツメ子が「働きアリの法則」を知っているというのも、無理があるような気がしますが、それは置いておいて、「働きアリの法則」は人間社会に当てはまるのかを考えてみました。

働きアリの法則とは!

集団を「よく働く・普通・働かない」に分けたとき、
働きアリが全体の2割普通のアリが6割働かないアリが2割になる
という性質のこと。

つまり、鷹野ツメ子が言うには、たとえ自分が辞めさせられても、ほかのだれかが働かない2割になるので、自分を排除するのは意味がないということを言っています。

ただ、鷹野ツメ子は多分に自分に都合よく意味を勝手に解釈しており、働きアリの法則は、常に働かない個体がいるということではなく、普段は働いているが休んでいる2割がいるということで、働かないアリに価値を持たせているわけではないのです。

では、人間社会に当てはめて完全週休2日制の場合で考えてみます。

完全週休2日制の場合
恐らく日本では完全週休二日制の会社が多いと思いますので、このパターンを見てみます。
・土日:104日
・国民の祝日:16日
・年末年始休暇など:5日(1月1日を除く12月29日~1月3日)
 合計:125日
 働いている割合:123/365日=33.7% Σ(・ω・ノ)ノ!

国民の祝日は日曜日に当たると休みにならないので、2日程度日曜日と重なると考えて合計を123日して考えても、完全週休二日制の場合、なんと!1年のうちの3割以上は休暇をとっていることになります。

これは、有給休暇を全くとらない場合です!!!

もし、有給休暇(24日)をフルにとった場合で計算すると、

合計:125日+24日=149日
働いている割合:147/365日=40.3% Σ(・ω・ノ)ノ!Σ(・ω・ノ)ノ!Σ(・ω・ノ)ノ!

祝日=日曜日を2日として147日で計算しても
なんと、4割がお休みという・・・ アリ社会よりも人間様のほうが働いていないことが分かってしまいました。

結構働いている意識あったんですが、今後認識を改めたいと思います・・・

無能さんたちへの対策まとめ

ドラマ「無能の鷹」をきっかけに、私が過去に経験した中の3人の無能さん(トラブルメーカーさん)たちを振り返ってみました。

ここまで読んでくれた読者の皆さんも、もしかしたら同じような無能さんがそばにいらっしゃるのではないでしょうか?

この3人以外にも色々なタイプの無能さんたちがいますので、職場で無能さんとトラブルが起きたときには、無能さん一人一人に合わせた対応が必要だと思います。

対策は、それぞれのケースで問題点を見極め、それに対して自分たちが困っていることを明確にし、どうしたら解決するかを考えることが大切だと思います。
また、組織として対処できる方法も考慮する必要があります。

菜々緒さん、いえ鷹野ツメ子が「分からないことが分からない!」というセリフがありましたが、確かに、そのような無能さんもいらっしゃいます。

何かを始めたときや学び始めたときなどは、「分からないことが分からない」ことは多いです。
それが普通です。なので、そういう場合は無能ではありません。

少しづつ学んでいくに従い、分からないことがどこなのかが見えてくることがあります。そして実際に手を動かしてやってみると、分からないところが明確になってきます。

今は“無能”かもしれませんが、成長できる無能さんです。

そういう人は問題がないのです。

結局、コンサルと言われる方々に無能さんたちのことを相談しても、あまり有効な解決策を頂けることはなく、最終的には自分たちで考えて解決してきました

ただ、一方で、無能さんを成長させようなんて私はみじんも思いません(「成長させる」という言い方自体、大変おこがましいですが)。

無能さんたちは、自分を「有能」と思い込んでいるがために、成長させることは、相当厳しいと思います。

ソクラテスが言った「無知の知」という言葉がありますが、これは自分が知らないことを知っているという意味であり、真の知識を得るための第一歩とされています。

無能さんたちは、このことを知らないのです。
冷たいようですが、無能さん自身が自らの力で解決していくていくべきことと思います。

無能さんたち本人が「なぜストレスを抱えているか」を自覚しないと、永遠に無能さんは無能さんであり続けます。

何度も言うようですが、他人が教えてあげたり、指導してあげられるものでもなく、むしろ指導を嫌います。特に自己愛が強いタイプは、よほど自分が尊敬する方からの助言であれば違うかもしれませんが、本人が自ら気づくほかはないと思います

昔は部下の成長を助けるのがマネージャーの役目だったのかもしれませんが、これからは、自らの未来は、自ら切り開くことを自覚していただくことしかないのです。

無能さんたちの未来は?

今後、日本の生産人口が減少し、生成AIが台頭する時代に突入しつつある現在、Bさんに対して行った対応のように、定型業務をしていただいた状況は変わってきます。

近い未来に生成AIがこれらの定型業務を行うようになると、無能さんたちはお仕事を失ってしまうかもしれません。

日本の古き良き大企業も、従来は簡単に人を削減できませんでしたが、今後は人事制度改革を通して、会社が欲しいと思う人材だけを雇用できるような人事制度(仕組み)を導入し始めています。現に、今私が勤めている会社も人事制度改革に着手しました。新制度の内容は、会社が欲しいと思う人材のみを残すようなシステムになっています。

つまりは、会社が必要ないと思う人材は自動的に会社に残れないような仕組みの導入です。

私も、自分に足りない部分や、会社が私たちに何を要求しているかを考えながら、もう少し会社にしがみついていこうと思います。

「無能の鷹」の鷹野ツメ子は、自分の無能ぶりを半分くらいは自覚していて、でも、それをストレスに感じているわけでもないところが、私の遭遇した無能さんたちとは違います。

鷹野ツメ子のようなタイプは、無能でもたくましく生きていけるような気がします。

とはいえ、自分の周りにいてほしいとは思いませんが(笑)

今後、鷹野ツメ子が無能ぶりをどのくらい極限まで発揮していくのか、ドラマの展開にも興味津々、一視聴者として楽しみたいと思います。

菜々緒さんの記事もありますので、ご興味のある方はこちらもどうぞ。

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