こんにちは、管理人のぽんぽこです。
10月18日放送のドラマ「無能の鷹」で、主人公の鷹野ツメ子(菜々緒)は、必死になってペン回しを練習していました。
喫茶店で高校生二人がノートを広げて勉強をしている間、くるくるとリズムよくペン回しをしているのを見て、練習を始めたのです。
第2羽が終わるまで、机でも、コピー機の前でもペン回しの練習です。部長は「うるさい、いい加減辞めさせろ。イライラする。迷惑だ。」と言いますが、誰も動きません。
そして第2羽の最後、終業5分前に、営業部のみんなが固唾をのんで見守る中、始めてペン回しが成功しました。教育係の鳩山は、「やればできる!」とツメ子を褒め、励ましたのですが、その翌日、またツメ子がペン回しの練習をしています。
ツメ子:またペン回しが出来なくなってしまいました。
鳩山:どうしたんだい?やってみよう。
ツメ子:(練習を続ける)
鳩山:よし、次できるよ。頑張ろう。
ツメ子:鳩山さん、そもそも何でペンなんて回すんでしょうか?これの何が楽しいんですか?
鳩山:え?・・・・
一同:口あんぐり
楽しくないのに一所懸命に練習していたツメ子もツメ子なのですが、確かに、ツメ子の言うように、なぜペンを回すのでしょうか?ペンを回す心理とはいったい?
ツメ子は高校生がペンを回すのを見て「かっこいい」「自分もできるようになりたい」と思ったので練習を始めたのだと思いますが、周囲は「気が散る」「うるさい」「うざい」「迷惑」と散々な言われようです。
そこで、ツメ子の疑問に答えて、なぜペン回しをするのか、その理由と、かっこいいのか、うざいのか、周囲への影響を考えてみたいと思います。そして、今世界でペン回しはどんなことになっているのかを解説していきたいと思います。
ペン回しをする人の心理:なぜペンを回すのか?
ペン回しを始めるきっかけ
学生が授業中にペン回しをするのは、ペンが手元にあって、手遊びとして使いやすいということと、周りの友達や、ネットの動画で上手なペン回しを見て「かっこいい」「自分もやってみたい」と感じて始めるというのがとっかかりのようです。
実は、ペン回しにはたくさんの技があり、難しいものほど「すごい」「面白い」と見えるため、興味を持って技を磨きたいと、次々と技を練習する人もいるようです。
実は、ペン回しには効用もありました。見ていきましょう。
ペン回しを覚えようとしているとき
新しいことを覚えようとするときって、集中しなきゃって気合が入りますよね。そんなとき、指先を動かすと脳が刺激されて、集中力がアップすることがあるんです。ペン回しもその一つで、「こう動かすと上手く回るかな?」なんて考えながら練習していると、やる気もアップして、脳がどんどん活性化されるんです!
全然知りませんでした。脳の活性化が起るのであれば、どんどんやるべきですね。
もう少し、医学的な話をすると、ペン回しをする時、特に「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という脳の一部が活発に動きます。この部分は、社会での行動や計画を考えるところで、まるで学校で新しい勉強をしたり、友達と遊び方を考えるようなときに働くんです。
ただなんとなくペン回しをするのではなく、「こうすればうまく回るかな?」と考えながら行うと、前頭前野がより活性化するんですよ。つまり、ペン回しを通じて脳がトレーニングされ、他の学習にも役立つ可能性があるようです。
ペン回しを無意識にできるようになったとき
一方で、ペン回しの技をマスターして、自然にできるようになると、今度はリラックスした気分で回せるようになります。
練習のかいあってスムーズにできると、「気持ちいい!」と感じたり、軽いストレス発散になることも。自然に手が動くようになって、勉強中も気分転換として続ける人が多いみたいです。
医学的な部分をちょっと解説しますね。
ペン回しの技を一度覚えると、脳の中では少し違う動きが始まります。最初は一生懸命に考えながら練習しますが、技が慣れてくると「前頭前野」の働きが減り、今度は「線条体(せんじょうたい)」という部分が動きます。この部分は「やる気」や「楽しさ」に関わっているので、技を成功させたときに「できた!」といううれしさを感じられるんです。
この線条体が働くと「もっとやりたい!」と感じるようになり、ペン回しの練習にも意欲が出てくるそうです。この感覚は勉強やスポーツでも同じで、できることが増えるほど楽しくなり、もっと頑張りたくなりますよね。
その後、ペン回しなどの技は、脳の「小脳(しょうのう)」という部分に記憶され、練習を重ねることで自然に体が動くようになります。最初は難しい技でも、何度も練習することで、頭で考えなくても手が動くようになるんです。この状態は「内部モデル」と呼ばれ、スポーツや楽器の演奏でも同じように、小脳が動き方を覚えているからこそスムーズにできるようになります。
ペン回しはかっこいい?それとも迷惑?
ペン回しに対する意見は人それぞれ。「かっこいい!」と思う人もいれば、「ちょっと迷惑…」と感じる人もいます。それぞれの理由を見てみましょう。
ペン回しをかっこいいと思う人
ペン回しを技としてかっこよく決める人もいますよね。難しい技をスマートにこなしていると、「おお!すごい!」って感じで、友達にとっては「かっこいい」存在に見えることもあります。ペン回しには色々なテクニックがあって、見る人にとっては一種のアートのように映ることもあるんです。
ペン回しを迷惑だと思う人
一方で、授業中や静かな場所でカチカチ、くるくる回されると、周りの人にとっては気が散ることもあります。「音が気になる」「集中できない」と感じる人も多いんですよね。こういう時は周囲に気を配る必要があるのかもしれません。
ツメ子の性格では周囲に気を配るのは無理ですね(笑)。
実は、京都大学でペン回しについて研究した論文がありました。
教師側からみて、生徒のペン回しをどのように感じるかというものです。
朱雀部長が「ペン回しをやめさせろ!」と言ったことも、こういう心理が影響しているのかも。朱雀部長は何かうまくいかなくてイライラしていたのかなー?なんて想像しちゃいますね。
実は、受け取る先生側は、同じペン回しでも、先生の気分や状況によって反応が大きく変わることです。
たとえば、先生が授業に自信を持っているときには、ペン回しはそれほど気になりません。しかし、授業がうまくいかず不安なときには、同じペン回しが「やる気がない態度」に見えてしまうこともあります。こうした違いは、生徒にとっては「前は怒られなかったのに、なんで今回は?」と混乱を招き、不信感につながります。
学校の授業中に起こる「雑音」も、実は先生と生徒の間で感じ方が異なります。例えば、授業中にペンのノック音やシャーペンをカチカチする音、体育の後に下敷きで扇ぐ音など、何気ない音でも、先生にとっては「授業の邪魔」や「集中力を乱すもの」に感じられることがあるのです。
(参考:京都教育大学教育実践研究紀要 第 11 号 2011)
結局、かっこいいと思うのか、迷惑と思うのかは、それを見ている側の問題ってことのようです。自分に自信がないと、同じことをしていてもその行為が自分に向けられるということみたいです。
ペン回しだけでなく、色々なところにこういった心理はありそうですね。
ペン回しの現状
実は、ペン回しにはさまざまな面白いエピソードや進化した道具もあるんです。
浪人回しって?
実は、ペン回しには「浪人回し」という別名があります。予備校に通う浪人生がよくペンを回していたからなんです。
長い勉強時間の中で、ペンをくるくる回して気分転換する人が多く、いつしか「浪人回し」と呼ばれるようになりました。
浪人生が真剣にペン回しをしている姿は、少し象徴的でもありますね。
ペン回し専用ペンがある理由
ペン回しが一つの「技術」として進化してきたことで、今では専用のペンが売られています。普通のペンと違い、重さやバランスが調整されているので、技が決まりやすく、スムーズに回せます。
高度な技に挑戦したい人にとっては、専用ペンがあると技を磨くのにぴったりなアイテムです。
いやはや、まさかペン回し用のペンがあるとは、驚きです!
ペン回しの世界大会もある!世界で唯一のペン回しプロは日本人!
実はペン回しには世界大会があるんです!「World Tournament of Pen Spinning」と呼ばれ、各国から選手が集まって、その技術を競い合います。
難易度の高い技を正確に、美しい技を披露するために、出場者たちは練習を重ね、回すスピードや流れるような技の連続で審査されます。
日本からも多くのスピナー(ペン回しをする人をペンスピナーっていうそうです)が参加し、世界で注目される大会となっています。2019年の世界大会で優勝、その後世界唯一のペン回しのプロになったKayさんという方もいらっしゃいます。
まさか、プロまでいるなんて、びっくりです!
まとめ
ペン回しをする理由
- 覚えようと集中するときは指先の動きで脳が刺激され、集中力が高まる。
- 技をマスターして無意識に回せるようになると、リラックスや気分転換の手段になる。
ペン回しはかっこいい?それとも迷惑?
- 技を披露するのが「かっこいい」と感じる人もいる。
- 授業中や静かな場所での音や動きが「気が散る」と迷惑に思う人もいる。
ペン回しの現状
- 「浪人回し」という名前は、予備校生がよく行っていたことが由来。
- 専用ペンが販売され、重さやバランスが工夫されていて技を決めやすい。
- ペン回しの世界大会も開催され、ペン回しのプロは日本人だった。
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