なぜ昇進や出世したい?強い出世欲の理由とは~ドラマ「無能の鷹」より

社会

こんにちは。管理人のぽんぽこです。

「無能の鷹」の第3羽は、出世のために社内情報を集めまくっている鵜飼お姉さまのお話でした。
鵜飼お姉さまは、出世のためにものすごーく努力をしています。

ぽんぽこの勤めていた会社にも、出生したい人がいっぱいいたなーと思いました。それも、出世したいオーラ丸出しで、雉谷が言うように「引くわー」って思うようなタイプもいました。

最近の若者は、出世欲が無くなってきたとも言われているようですが、会社の中には、出世したいと思う人がいっぱいいます。
今回は、職場の「出世欲の強い人」そして合わせて出世欲がない人、そして「出世欲」とは何かについて、考えてみたいと思います。

 

職場で遭遇した出世欲の強い2人

まずは、ぽんぽこが職場で遭遇した強い出世欲をもつ二人のエピソードから考えていきたいと思います。

強い「出世したいオーラ」を出さず、上司に取り入って出世をたくらむタイプ

エピソード

当時同じグループだった一般社員のJさん。Jさんは入社5年目で、中途採用で入社してきた3歳ほど年上のKさんのサポートをすることになりました。Jさんは、いつもニコニコしていて、人当たりも良く、面倒見も良い感じで、入社当初Kさんは、Jさんに色々聞きながら少しづつ仕事を覚えていきました

ところが、社内人事制度が変更になり、かねてよりJさんが行きたかった部署への転属を希望することができることになりました。ただ、希望を通すためには、上司が推薦することが必要でした。当然のことながら、Jさんが行きたい部署は会社の中でも花形部署で、将来的にも昇進の道が開かれています。

Kさんの入社から半年ほど経過したときです。JさんからKさんへメールが届きました。メールの内容は、Kさんが仕事でどんな間違いをして、それがどんなふうに悪かったか、Kさんがどのくらい無能なのかといったものでした。そのメールには二人の上司がCCに入れられていました。

その時、JさんとKさんは、向かい合わせの座席に座っていたので、わざわざ上司をCCに入れてKさんに注意をすることはなく、必要であればKさんへ直接話をすればよいだけです。むしろ目の前に座っているのに話をせず、わざわざメールにするというのが不自然です。それもその場で注意するのではなく、後からメールで送られてくるわけです。

数週間後、別の件で、また同じようにKさんへJさんからメールが届きました。やはり、Kさんがどのくらい無能なのか、間違っているのかという内容です。そういうことが続きました。

つまり、Jさんは、指導される側のKさんの無能さをアピールすることで、相対的に自分が有能であることをアピールしたかったのでしょう。その後、Jさんは目的を達し、行きたかった部署へ転属していきました。

一方、Kさんは、Jさん→上司→部長という流れで、無能であると判断され、リストラの対象として肩たたきにあい、退職金をちょっとたくさんもらって辞めていきました

Kさんは、中途採用でしたので、社内に親しい仲間や上司とのコミュニケーションを図る十分な時間もなく、リストラ対象になるという残念な結果になりました。けれど、退職後1か月ほどでKさんは同業他社のマネージャー職として採用され、その後部長職まで昇進しました。

上司の人間性の問題点

人間関係ですので、難しいですよね。

でも、一番の問題は、上司も、部長も、Kさんの能力をきちんと判断できず、Jさんの話を鵜呑みにしてKさんの能力を生かすことができなかったということでしょう。

ぽんぽこは、こういうケースには何度か遭遇しています。

噂レベルのことを信じて、双方の言い分をきちんと聞かずに判断を下してしまう管理職っていっぱいいます。これは、その人の人間性の幅が小さいということなのかな、と思います。

人は、自分と仲の良い人や、同じ意見を持つ人、尊敬している人の言っていることなどを無条件に信じる習性があるような気がします。

別の意見を持つ人は一定数いるわけで、双方の意見/言い分を聞いて判断しないと、公平な判断はできないんじゃないかなと思います。

気を付けないと、と思います。

 

出世欲を満たすための行動に対する問題点

Jさんの場合は、今の配属先に不満があり、転属を希望していたことがこのような行動になったのだと思います。転属を希望すること自体は別に悪いことではありませんし、そうなるように行動するということも悪いことではないと思います。

しかし、人を貶めて自分をアピールするというのは、結構陰湿ですよね。

対策

KさんからみたJさんへの対策は、メールではなく口頭で説明をしてくださいと依頼することでしょう。ただ、口頭で説明を依頼しても、メールを送りたいJさんからしてみれば、やはりメールを送ってくるのだと思います。実際に、KさんはJさんのところに行ってメールの内容について確認していましたが、その後のメール攻撃は続いいましたので。

または、Jさんが転属するまで我慢するかですが、周りから無能と思われてしまっているので、その会社にいるのも辛いですね。

つくづく、菜々緒扮する鷹野のTAILONという会社の面々は、無能な鷹野でも仲良く過ごす鷹揚さがあるのは羨ましい環境だなと思います。ま、ドラマですけど。

その後のKさんの経歴から、決してKさんは無能なんかなじゃいということが分かります。他社では評価され部長にまで抜擢されているわけですから。

上司や部長に対しても、取りえる対策はなかったと思います。Jさんと上司や部長との関係のほうが、Kさんと上司や部長との関係のほうがよっぽど強く、上司や部長はJさんの言うことを信じている状態です。

ですから、対策としては、この会社にしがみつくという選択をせず、割増退職金をもらって、さっさと会社に見切りをつけ、新しい職場で能力を発揮したKさんが正解だったのかなと思いました。

 

強い出世したいオーラを発し、出世欲全開のコバンザメタイプ

エピソード

Lさんは、毎日残業に明け暮れるモーレツ社員(死語かな?)です。出張に行けば必ず皆にお土産を買ってくるし、海外派遣が終わったときは、一人一人に帰任の挨拶に回ります。愛想も良く、気配りもする、仕事もバリバリするとても有能な社員です。

毎日朝から晩まで良く働きます。有給休暇もほとんど取りません。だいたい、夜は7時、8時までの残業は当たり前、働いているぞー、頑張っているぞー。自分はめっちゃ仕事やっているぞーをガンガンアピールしています。

部内だけでなく、会社内のあちこちに出没し、まだ残業で残っている人を捕まえて、色々相談を持ち掛けます。

もちろん、必要な場合もありますが、まぁアピール半分なので、捕まった方は仕事以外の話にも付き合わされてしまいます。

当然上司や部長には、逆らいません。マメに報告し、判断を仰ぎます。そうなると、上司たちは「かわいいやつだ」ってことになるんですよね。

上司も人間なので、頼られると、「おー、そうかそうか」ってことになるんです。

ただ、上司の中には、頑張っていると評価する方もいれば、上司に取り入っているとみて「コバンザメ」と陰で揶揄する人もいます

どうしても上司に取り入ろうとしている、早く係長→課長→部長と出世したいという「出世オーラ」が見えてしまうので、逆に、嫌う人も出てきてしまいますよね。
ぽんぽこも、一所懸命やっているというより、なんか出世したいオーラしか感じないなーって思っていました。

でも、頑張っていると評価する人たちは、「出世オーラ」が見えないんでしょうか?
ぽんぽこにはLさんから発する出世オーラがメラメラ燃えているのが、めちゃめちゃ見えるんです。見えていても、やはり、頼られるとかわいいと思うのですかね?

その後、Lさんのアピールは社内だけではなく、業界活動にも幅広く活動を広げます。積極的に「あれやります、これやります」をアピールします。まぁ、いいんですけど。。。

メラメラ感は、半端ないです。

出世欲全開の問題点

Lさんの場合は、他人に迷惑をかけるわけではなく、自分で頑張っているだけなので、問題はないかなと思います。出世欲があるということ自体は悪いわけではありませんしね。

 

なぜ昇進や出世したいのか?

エピソードとしては2つ挙げましたが、なぜ昇進や出世をしたいと思うのでしょうか?
まずは、出世したくないと考えている雉谷さんのセリフです。

(鵜飼、雉谷、鳩山の3人での飲み会の席)
鵜飼:雉谷君、出世したくないの?
雉谷:おれはいいっす。責任持ちたくないし。
鵜飼:責任?
雉谷:だって出生しても、そんなに給料上がらないし。それだけの金で、重い責任持たされるのコスパ悪くないっすか?
鵜飼:何で?重ければ重い荷物のほうが、持ち上げたときに気持ちいいもんでしょ?
雉谷:なんっすか?それ?ミスチルっすか?全然気持ちいいっくないっすよ。おれ、鵜飼いさんの出世欲、普通に引きますわ。ハハハハハ
鳩山:鴫石(鳩山の同期、会社初の女性部長、製品開発部)が言ってたよ。自分は、会社がジェンダー的なことを考えて、だれか管理職にしておくか。って。勝手に選ばれただけだ。多分、出世して管理職になっても、鵜飼が想像していた景色かどうか、分からないよ。
・・・

雉谷は、ガツガツ出世したいと考えているわけではなく、出世=昇進すると責任が出てくるので、その責任とのバランスで出世は割に合わないと考えているようです。

雉谷のセリフは、今の若者の言葉を代弁しているようにも見えます。

平成30年に内閣府はアンケート調査を実施しています(最近の調査では一番新しいもの)。この調査を見ると、
仕事をする目的としてダントツに高いのは、当然と言えば当然ですが「収入を得るため」です。そして2番目に高いのが、仕事を通して達成感や生きがいを得るためと続きます。

「社会的な地位を得るため」と回答した方は7.0%(2つ迄回答なので、7%より実際は低い?)でした。

ただ、社会的な地位が上がれば収入とも連動するので、一概に「社会的な地位を得るため」が低いということでもないのかなと思っています。

(引用:内閣府 平成30年版 子供・若者白書)

リクルートの調査によると、2010年には新入社員の55.8%が「管理職になりたい」と答えていましたが、2016年にはその割合が31.9%にまで減少し、否定的な回答が37.9%と肯定派を上回る結果となりました。

管理職を望まない理由としては、ストレスや責任の増加、そしてワーク・ライフ・バランスの優先といった点が挙げられています。

以下の表は、若者が出世を望まなくなっている理由をまとめたものです。時代の変化とともに意識の変化があり、「コスパ」という概念が流行してきた中で、働いた分の報酬が得られなければ働かないよ、ということになるのでしょうか。2つ目の「報酬と満足感の欠如」は、雉谷のセリフと同じですね。

高度成長のころの働いたら働いた分だけ明日がよくなるという時代とは大きく変化しているようです。今のトレンドは、「働いても将来それほど良くならなければ頑張っても仕方ないよねー」ってところなんでしょうかね。

項目内容
管理職の役割への疑問業務の専門性が多様化し、管理職がすべての業務に精通しているわけではないため、部下への適切なアドバイスが難しい状況。
上司の存在が成果につながらないと感じる若者が多く、管理職の意義を見いだせない
報酬と満足感の欠如負荷が大きいにもかかわらず、報酬や時間が十分に見合っていないと感じる
金銭的報酬だけでなく、管理職ならではのやりがいや貢献の実感が得られにくい
若者の価値観の変化若者は収入や安定を重視し、仲間と楽しく働くことを大切にする一方で、目立つことや重い責任を負うことに関心が薄い
日本生産性本部の調査でも「楽しい生活」が重視され、出世や責任を持つことが必ずしも充実感に繋がらないと考えられている。
企業社会との価値観のギャップバブル崩壊以降の社会の変化やITの進化により、企業に依存する生活に対する疑問が高まっている。自分らしく豊かに生きることを望む若者にとって、管理職は組織の論理に縛られ、やりたいことを実現しにくい存在と見られている。
(参考:20~30代が出世を望まなくなってきた本質)

強い出世欲ってどういう心理なの?

次に、「出世欲」ってなんなのかを考えてみたいと思います。

(再び、飲み会の席、鵜飼いはベロンベロンに酔っぱらっている)
鵜飼:鵙尾(もずお)は良いよね、この会社辞めても腕一本でやっていけるから。でも、私は違うんっすよ。だから、出世しなくっちゃいけないんですよ。誰にも負けないように、ありとあらゆる情報をね、集めなきゃだめなの。
雉谷:社内の情報そんなに戦いに必要ですかぁ?
鵜飼:必要にきまってんだろぉ。ばーやろー。

鵜飼は、自分は手に鵙尾のようにシステムエンジニアとして腕一本でやっていけるわけではないので、社内で出世しないといけないと信じ込んでいるようです。

出世のために情報を集めると言っていますが、情報収集をすることが出世につながるかどうかは微妙って思います。ま、そのあたりはドラマってことなので良しとして、では、一般的には何で出世ってしたいんでしょうね?

たぶん、出世したい理由ってこんな感じだと思います。

出世したい理由

目的詳細
1. 自己成長や挑戦意欲管理職になることで新しい仕事や大きな責任を担い、リーダーとしての経験を積むことができる。
未知の課題に挑戦しながら成長できることに喜びを感じ、自分の可能性を試したいという意欲がある人にとって魅力である。
2. 収入アップへの期待管理職になることで給料が上がり、生活費や趣味に使えるお金が増える可能性がある。
家族や自分にとっても経済的安定が得られ、キャリアアップの大きな動機となる。
3. 将来のキャリア形成キャリアアップによって管理職経験が増えると、次の職場や大きな会社への転職に役立つ。
リーダーシップのある人と評価されやすく、将来的なキャリアアップを意識する人にとって管理職経験は重要なステップとなる。
4. 権限と影響力の獲得管理職として他のメンバーに役割を与えたり、仕事の進め方を決める権限を持つことで、組織やプロジェクトに影響を与えることができる。
この「仕事を動かせる力」に魅力を感じ、周囲に自分の影響力を広げたいと考える人もいる。
5. 社会的なステータスや評価管理職になることで「課長」や「部長」といった肩書きがつき、社内外で評価が高まる。
責任ある立場として信頼されやすくなり、社会的な地位が高くなることで、周囲から「すごい」と思われることに喜びを感じる人もいる。

「出世欲」というと、あまり良いイメージを持たない人もいるんじゃないかなと思います。「欲」という言葉がつくことでなんだかなーって印象もありませんか?

「出世欲」という言葉がちょっとマイナスなイメージを持つのは、他人がかかわる部分、つまり「人からどう見えるか」や、「人に対して指図したい」という気持ちに対する部分をイメージさせてしまうからではないか思います。

この表の4.権限と影響力の獲得や、5.社会的なステータスや評価だけを見ると、人に指図したいとか、単なる見栄やナルシストっぽい印象も出てきてしまいますが、1.自己成長や挑戦意欲、2.収入アップへの期待、3.将来のキャリア形成などは、自分自身に向いている欲です。
この3つについては「強い出世欲」を持っていても嫌な思いをする人はいないんじゃないでしょうか?

「出世欲」がある人の場合、どの部分の「欲」を望んでいるのかの強さが人によって違います。

だから、自己成長や挑戦意欲、収入アップを目指す、キャリアアップを目指すという欲の強い人は「頑張ってねー」と応援してもらえる可能性が高いですが、4.権限と影響力の獲得や、5.社会的なステータスや評価の欲が強い人は、なんかイメージが悪くなってしまっているんじゃないかと思います。

でも、一番大事なのは、「出世欲」を満たすために、どのような手段をとるのかであり、他人を貶めるようなやり方で自分の欲を満たすのは避けるべきだと思いました。ま、これって出世欲を満たすではなく、世の中全般に言えることですけどね。

でもね、ぽんぽこは、「人はみんな成長したいって思っている」って思うんですよね。

(会社で。鵙尾、鶸田の会話)
鵙尾:そういえばさ、鶸田君、聞いたよね?なんで鵜飼が出世のためにあそこまで頑張るのか?
あいつはね、ただただ、頑張るのが好きなだけなの。出世とか、えらくなりたいは二の次で、めちゃくちゃ働くのが大好きで、頑張るのが楽しいって、変な生き物なんだよ。
鶸田:はぁ。
鵙尾:ただ、それをこっちに強要するからうざいの。今ぐらいのちょっと離れてみてんのがちょうどいいんだ。

鵜飼さんの場合は、1.自己成長や挑戦意欲が高いことが出世したいということにつながっているようですね。
社内情報収集が鵜飼さんの出世につながるといいですねー。

 

「なぜ昇進や出世したい?強い出世欲の理由とは」まとめ

ここまで考えてきて、ぽんぽこが思うには、「出世欲」を持つことは悪いことではないし、むしろ「欲」は持った方がよいのではないかと思います。

出世欲には5つあります。

1. 自己成長や挑戦意欲
2. 収入アップへの期待
3. 将来のキャリア形成
4. 権限と影響力の獲得
5. 社会的なステータスや評価

人は、元来自己成長を望んでいるが、環境のせいで挑戦をしなくなることもある。

「出世欲」という言葉のイメージが良くないのは、他人とのつながりを持つ欲である「4. 権限と影響力の獲得」と「5. 社会的なステータスや評価」をイメージさせてしまうから。

「出世欲」を満たすための手段は、人を傷つけない方法を選びましょう。

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